こんにちは。保育ライターの織部です。
日本グループワーク・トレーニング協会(日本GWT協会)が主催する、令和6年2月3日〜4日の「GWT初級アドバイザー養成講習会」に参加しましたのでレポートします。
具体的には、
などのポイントでまとめていきます。
私は保育士を16年間やってきましたが、職場の人間関係が仕事の成果ややりがい、楽しさにつながる土台だと常々感じてきました。また、その土台を築くのがいかに難しいかも理解しています。
今回の研修を通して、グループワーク・トレーニング(GWT)はコミュニケーションの課題に「大きなヒント」を与えてくれることがわかりました。
一度参加すればすべてが解決されるわけではありませんが、自分や相手、職場という集団への理解が深まり、「明日から職場で〜をやってみよう」「◯◯さんとの向き合い方はこうしてみよう」などと具体的な行動に落とし込むことができます。
- 職場の人間関係で疲れている
- 自分のコミュニケーションに課題を感じる
- 新しい出会いからパワーをもらいたい
そのような方に向けて、「GWT初級アドバイザー養成講習会」の体験レポートを書いていきます!
グループワーク・トレーニング(GWT)初級アドバイザー養成講習会とは
日本GWT協会が開催する年に1回(2日間)の講習会で、受講すると「日本GWT初級アドバイザー資格」を取得することができます。
- グループワーク・トレーニングを自分の職場などで実践することができる資格です。
更に上をめざす人は「日本GWT上級アドバイザー資格」を取得することもできます。
グループワーク・トレーニング(GWT)とは
体験談ベースでざっくり表現すると、GWTは「グループでワークを行い、人間関係とコミュニケーションのやり方を学び合う研修」だと感じました。
ちなみに、ワークとは演習・エキササイズ・ゲーム・課題などのことで、同じグループのメンバーと挑戦していきます。
安心・安全な環境
実際に「初級アドバイザー養成講習会」に参加してわかったのは、GWTの場所が、
- 安心、安全な環境で人とのやりとりを練習できる
- ”失敗したくない”という心の鎧をぬいで、自分の胸の内を伝えられる
- 自分の考えや行動に素直なフィードバックをもらえる
という場所であることです。
研修の講師である三好良子先生がアドバイザーとして”安心・安全な場所”をつくってくださっていますし、「もっと学びたい」という前向きな思いを持って参加している方々が一緒につくっているものでもあります。
イスに座って講師の話を聞き続ける研修ではないのでご安心ください!
参加者について
今回の「初級アドバイザー養成講習会」には11名の方が参加していました。
参加者の特徴は以下の通り。
- 30代〜60代の男女
- 職業は官公庁やビジネスマン、フリーランス、パート、ボランティアなど立場は人それぞれ
- 自分を成長させたい、もっと学びたいという意欲がある
研修のリピーターもいらっしゃいましたが、ほとんどが初対面なので、みなさん初めは緊張の面持ちでした。
グループワーク・トレーニング(GWT)初級アドバイザー養成講習会の内容
2日間のプログラムは以下の通りです。
字面だけで講習会のイメージをつかむのは簡単ではありませんが、大まかな流れをつかんでもらえたら嬉しいです。
1日目:話し方・聴き方・合意形成
チェックイン・アイスブレイク・GWTとは(9:30〜12:00)
- イスをまるく並べて参加者10名で円をつくり、簡単な自己紹介や今の気持ちを伝え合う。
- 会の最初に「話す」「聴く」「笑顔になる」などをみんなで経験することで気持ちがほぐれる。
- その上で、いくつかのアイスブレイクを実践し、その意味や具体的なやり方を学ぶ。
コミュニケーションについて学ぶGWT(13:00〜15:00)
- お互いに伝えたいと思っているメッセージを的確に受け止め、理解しあうワーク。
- 2人1組で復唱(オウム返し)のワークを行い、全身を耳にして聞きとる練習。
- 話し手が1番伝えたいこと、わかってほしいことを聴きとるワーク。
コンセンサスについて学ぶGWT(15:00〜17:00)
- 「愛」や「健康」など8種類の価値観に順位をつけ、その理由も考えるワーク。
- グループでその順位を共有し、お互いの価値観の違いに気づく。
- あるテーマに基づく価値観の順位付けをグループで行い、合意形成のやり方を学ぶ。
チェックイン・アイスブレイク・GWTとは(9:30〜12:00)
- イスをまるく並べて参加者10名で円をつくり、簡単な自己紹介や今の気持ちを伝え合う。
- 会の最初に「話す」「聴く」「笑顔になる」などをみんなで経験することで気持ちがほぐれる。
- その上で、いくつかのアイスブレイクを実践し、意味や具体的なやり方を学ぶ。
コミュニケーションについて学ぶGWT(13:00〜15:00)
- お互いに伝えたいと思っているメッセージを的確に受け止め、理解しあうワーク。
- 2人1組で復唱(オウム返し)のワークを行い、全身を耳にして聞きとる練習。
- 話し手が1番伝えたいこと、わかってほしいことを聴きとるワーク。
コンセンサスについて学ぶGWT(15:00〜17:00)
- 「愛」や「健康」など8種類の価値観に順位をつけ、その理由も考えるワーク。
- グループでその順位を共有し、お互いの価値観の違いに気づく。
- あるテーマに基づく価値観の順位付けをグループで行い、合意形成のやり方を学ぶ。
2日目:グループでの課題解決・役割演技法・合意形成
協力について学ぶGWT(9:00〜12:00)
- 川の氾濫を避け、得られた情報で安全な道を見つけて避難する協働作業ワーク。
- それぞれに与えられる情報はバラバラで、口頭でしか伝えることができない。
- 情報の伝え合いや集団内での役割決定、グループで合意をつくる練習ができる。
グループプロセスについて学ぶGWT(13:00〜15:00)
【前半パート】
- 町内の子ども育成委員になったつもりで、今年の社会見学はどこに行くか11名全員で話し合う。
- 「動物園」「科学館」など、自分の意見はランダムで配られるカードで決まる。
- 「議論の進行」「話が食い違ったら違いをはっきりさせる」など、話し合いの役割もカードで決まる。
- 決められた役割は他の人には秘密にしつつ、全員で話し合って合意形成を試みるワーク。
【後半パート】
- 「社会見学」のワーク終了後、すべての人の役割が記載してある紙をもらう。
- 誰がどの役だったか推測。その後1人ずつ選んで、その人がどの役割だったかみんなで予測を発表しあう。
- 全員の予測発表が終わったら、1人ずつ正解を発表する。
- それぞれが感じたことや気づいたことなどを振り返る。
自己に気づくGWT(15:00〜17:00)
- 「私は〜です」という文章を思いつくだけ書き出して「自画像シート」を作成するワーク。
- 自分を言語化することで「自分のセルフイメージ」に気づくことができる。
- また、シートを書いた感想や気づきをグループ内でシェアする。
クロージング・チェックアウト
- チェックインと同じくすべての参加者で円をつくり、2日間で感じたことを1人ずつ話して共有する。
協力について学ぶGWT(9:00〜12:00)
- 川の氾濫を避け、得られた情報で安全な道を見つけて避難する協働作業ワーク。
- それぞれに与えられる情報はバラバラで、口頭でしか伝えることができない。
- 情報の伝え合いや集団内での役割決定、グループで合意をつくる練習ができる。
グループプロセスについて学ぶGWT(13:00〜15:00)
【前半パート】
- 町内の子ども育成委員になったつもりで、今年の社会見学はどこに行くか11名全員で話し合う。
- 「動物園」「科学館」など、自分の意見はランダムで配られるカードで決まる。
- 「議論の進行」「話が食い違ったら違いをはっきりさせる」など、話し合いの役割もカードで決まる。
- 決められた役割は他の人には秘密にしつつ、全員で話し合って合意形成を試みるワーク。
【後半パート】
- 「社会見学」のワーク終了後、すべての人の役割が記載してある紙をもらう。
- 誰がどの役だったか推測。その後1人ずつ選んで、その人がどの役割だったかみんなで予測を発表しあう。
- 全員の予測発表が終わったら、1人ずつ正解を発表する。
- それぞれが感じたことや気づいたことなどを振り返る。
自己に気づくGWT(15:00〜17:00)
- 「私は〜です」という文章を思いつくだけ書き出して「自画像シート」を作成するワーク。
- 自分を言語化することで「自分のセルフイメージ」に気づくことができる。
- また、シートを書いた感想や気づきをグループ内でシェアする。
クロージング・チェックアウト
- チェックインと同じくすべての参加者で円をつくり、2日間で感じたことを1人ずつ話して共有する。
グループワーク・トレーニング(GWT)初級アドバイザー養成講習会で学んだ3つのこと
2日間で数多くのことを経験しましたが、その中で印象的だったことを3つピックアップします。
①:アイスブレイクは「話していい」「笑っていい」という許可証
講習会の1番初めにやる「チェックイン」というアイスブレイクでは、参加者全員で円になってイスに座り、自己紹介やその時の気分など好きなことを1人ずつ話します。
自分のことを話すので話しやすいですし、「とっても緊張しています」などと他の人の話を聞くことで、参加者の顔に自然と笑顔が生まれます。
このスタートの時点で「話す」「笑う」を経験することで、「あっ、この会では話していいんだ」「笑ってもいいんだ」と体験ベースで理解できる仕組みに大きな意味を感じました。
みんなが真面目な顔でひたすら話し合う職場の会議でも、この考え方を取り入れたらもっと柔軟な会議になるのではないでしょうか。
参加者全員でチェックインを行い、「話していい・笑っていい」という許可を自分に与えてから取り組みを始める大切さを学びました。
②:日本人は合意形成を習っていない
講師の三好先生の「日本人は合意形成を習っていない」という言葉が印象的でした。
つまり、「合意形成」にはやり方があり、練習しないとうまくできないということです。
それなのに職場のほとんどの会議では、前例踏襲や立場の偉い人・声の大きい人の考えで物事が決まっているように感じます。
合意形成したい気持ちはあってもやり方を知らないし、それを実践できるような信頼関係や時間が乏しいのも原因の1つでしょう。
職場や地域の集まりはもちろん、家庭の夫婦関係でもこの「合意形成のやり方」を学ぶことはメリットしかないので、今後も練習していきたいと思います。
③:相手を信じて本来の自分を投げかけられる嬉しさ
2日間の研修でさまざまなワークを参加者と行う中で、自分の心も開いていきますし、参加者同士の心の垣根もどんどん低くなっていきます。
すると、相手を信じて本当の自分を投げかけることができたり、自分を信じて本音で発信してくれる人が出てきます。
「本当のやりとりができたな」と感じますし、「これが本来やりたいことだよな」とも思います。
何の利害関係もない相手だからできる部分もあるかもしれませんが、職場でも家庭でも、誰しもがこうありたいと思っていることではないでしょうか。
研修だからではなく、自分がいる場所で常に実践したいと思った体験でした。
グループワーク・トレーニング(GWT)初級アドバイザー養成講習会を終えて
2日間の研修を終えた後は、「頭も身体も心も使い尽くした!」という疲労感と満足感でいっぱいでした。
デスクワーク中心の生活をしている自分にピッタリな研修だったと思います。
そして、人とのやりとりにおいて大切なことをさまざまなワークを通して学ぶので、通常の研修とは身につき方が違うと感じました。
また、
- コミュニケーションをスムーズにする具体的な方法
- 人間関係への期待と希望
- 年齢も職業も立場も越えて、安心して人とつながる喜び
そのようなことを実体験として学べる貴重な研修でした。
令和6年度は長野県や島根県などでもグループワーク・トレーニングの研修をやるそうなので、また遊びにいこうと思います!